マントラで満たしていく

マントラ

サンスクリット語で本来は文字，言葉を意味するが，宗教的には賛歌，祭詞，呪文などをさすために使われ，インドではベーダ聖典，またはその本文であるサンヒターのことをいう。またタントラ教ではシャクティ崇拝の儀礼の際に用いられる祈祷の定型句，ヨーガ学派では音声による修行法を意味する。大乗仏教でも，諸仏を象徴するサンスクリット文字や，仏に対する賛歌や祈りを象徴的に表現した特定の言葉をさし，漢訳では真言と呼ばれ，密教では真言を念じて心を統一する真言陀羅尼 (しんごんだらに) が重要視されたが，日本ではこの実践を基礎に空海により真言宗が確立された。

マントラ(mantra)は、日本語で真言を意味する。

manas（五感の情報を得て、物事を判断したり、考えたりするマインドの働き）
trāṇa（守る、解放する）
という２つの言葉が組み合わさってmantraという言葉ができている。

インドのサンスクリット語のマントラが中国に渡り、漢文に訳され、日本に渡ってきたものが真言（お経）である。サンスクリット語は、宇宙の波動を感知することができた聖者が、その波動を音（言葉）として表したもので、そのため神そのものとして扱われる。

mantra yoga samhita（マントラヨーガサムヒター)では 、マントラを下記に定義づけている。 「mananāt trāyate iti mantraḥ」 mananāt …それを完全に理解することで、それと一体となることで trāyate …守ってくれるもの、自由にしてくれるもの iti mantraḥ…それがマントラである.

神の音として扱われるマントラにはたくさんのルールが定められており、そのルールに乗っ取り、音を変えることなく正確に唱えることが求められる。全ての意識をそのルールに留めて唱えることにより、神の波動と一体となる、自己の源へと向かっていく、つまり神と一つとなることができると、考えられている。

瞑想中にマントラを使うことは、意識がより精妙になっていくので、囚われていた感情や心が解放されます。マントラのマン＝心を表すインドの言葉で、トラ＝解放するという意味がありますので、マントラの音が、振動となって原子レベルまでいきわたり、感情が落ち着くのかもしれません。心のコントロールにもなり得ると、近代聖者のスワミ・シヴァナンダジは伝えています。

アファーメーション

アファメーションとは、なりたい自分になるための、言葉による思い込みづくりのことで、「肯定的な自己暗示」「肯定的な自己説得」「肯定的な自己宣言」とも言われます。

簡単にお伝えすると、なりたい自分にふさわしい文言をつくって、何度も言ったり、見たり、聞いたりすることで、自分自身に健全な「思い込み」をつくることです。

前向きなアファメーションを繰り返していくことで、潜在意識にあった思考が次第に整理されていきます。顕在意識と潜在意識が一致させるのがアファーメーションの目的です。アファメーションはそのためのツールでもあります。

完全アセンション・マニュアル 上 

私は魂（モナド）

私は神なる光

私は愛

私は意志

私は確固たる計画である

完全アセンション・マニュアル 下

マントラ、神の力、力ある言葉

日常的に行える霊性を高めるための習練でもっとも大切なものとして、瞑想の次にくるのが、神の名、マントラ、そして力ある言葉の復唱であるというのが私の個人的な見解である。いかなる宗教の道にある霊的教師であれマスターであれ、形こそ違えど、この種の習練を奨励しなかった者はいない。私は本章において、折衷主義的で普遍的観点から取り集めた神の名、マントラ、力ある言葉を紹介し、若しそれらの詠唱を定期的に励行されれば、あなたが神的高揚感に満たされることを保証したい。

こうした習練がもたらす恩恵には言葉に託しがたいものがある。ガンジーは生涯を通じて神の名である「ラーマ」を唱え続けたが、彼はその励行が自身の業績の究極的な鍵の一つであると語っている。「バガヴァッド・ギーダー」には、「死んで何処に行くかは、死に際に何を思っていたかで決まる」とあるが、ガンジーが暗殺されたとき、最後に口にしたのが「ラーマ」という言葉であった。神の名を復唱し神の姿を視覚化することこそ、霊的な成功に主要な鍵であると述べている。そしてそれは瞑想中ならず、銀行の窓口に並んでいたり掃除や洗濯をしたり、シャワーを浴びたり歩いている時など、一日を通して行うことが大切なのである。

「思考が現実（リアリティ）を創る」という心識（マインド）の法則がある。エネルギーは思考に従う。神の名を唱えるとき、実際あなたは究極的には自分が唱えているものになっているのである。神の名を十二分に唱えると、その結果として肉体、感情体、メンタル体、エーテル体の浄化が進むため、神のみを反映するようになれるのである。

霊的探究の道にある人にとって最大の問題となるのが迷いである。「怠惰な心は悪魔の仕事場である」とは、まさに言い得て妙である。神の名を唱えることは、神に心の焦点を合わせ、その状態を続けることである。もし心が神に向いていないとすれば、それはいともたやすく低次自己（ロウアーセルフ）や否定的自我（ネガティブ・エゴ）へと触れ戻ってしまいかねない。インドに見られるように神の名を唱える習慣が欧米にないのは残念である。

落ち込んだり憤慨したりと否定的な感情が上がってきた時には、かならず神の名を唱えながら、好きな神の姿を思い浮かべてみていただきたい。そうすれば否定的思いから即座に抜け出せるはずである。これはあなたを低次自己から高次自己へ引き上げる、一つの方法でもある。一つの名前に固執することはなく、多種多彩が好みであれば、あれこれ取り替えてみても構わない。本章では、そのための選択肢を何百と用意しているので、それらを一つひとつ試してから、自分に感覚的にしっくりくるものを選んでいただきたいと思う。必要な状況に応じて、ここにあるスピリチュアルな宝庫から取り出すのもよい。また併せて視覚化を行えば、さらにその威力を強めることになる。神の名の復唱は、人生のあらゆる目的達成を促す真の解毒剤である。

中略

マントラの驚くべき点は、その多くが、実際に思考の次元に存在していたものが古代インドの聖賢（リシ）や先覚者によって人類にもたられたということである。彼らは高次元に同調することができたため、実際に透聴力でそれらのマントラを聞き取っていた。マントラには信じがたい威力がそなわっている。なにしろ神は、マントラを唱えながら宇宙を創造したのである。宇宙レベルの霊性を達成するまでに進化すれば、あなたをしてもマントラの力を借りて、惑星や太陽系まで生み出すことが可能となる。

中略

「主の祈り」あるいは「大いなる祈り」の力は明白である。マントラや神の名や、力のある言葉を使うことに関して今一つの興味深い点は、それらの使用頻度が増せば増すほど、その力が強まるということである。つまり、それらが独自の集合的な霊的威力をおびてくるのである。たとえば、かりにあなたが聖母マリアのロザリオ［カトリック教の祈り］を唱えると、あなたは自身と神との個人的な繋がりと同時に、集合意識的な繋がりにも接続されることになるのである。

マントラや神の名は声高に唱えるもよし、呟くように、あるいは心の中で静かに唱えるもよし、また書き記すのであってもよく、それぞれのやり方に独自の効果が期待できる。ただ詠唱があまりにも機械的になりすぎるのは考えものである。そこでマントラ一語一語を、神への賛美と信頼を表す形と見なして唱えてみてはいかがかと思う。ユダヤ密教においては神の名が極度に神聖視されていたため、ユダヤ教のある特定の様式を踏襲する人々のあいだでは、神の名を口にすることさえ憚られていたが、軽々しく神の名を口にしてはならないとする聖書の教えもまた同様な理由からきている。

マントラや神の名の詠唱は霊的な力を強め、あなた方の諸体すべてを純化し、なおかつ癒すものである。神の名を唱えるとき、あなたは自身の潜在意識の中に完成した在り方をプログラミングしていることになる。そうすることが、あなたの肉体、感情体、メンタル体、スピリチュアル体を完璧にするのである。

マントラや神の名の詠唱は、あなたがアセンションを遂げる時に使う光の体（ライト・ボディ）の構築を助けることになる。詠唱の回を重ねれば、それだけ神の名があなたの意識の中心に近づくのである。マントラは種子にも似て、ついには見事な樹木に育つ。樹木は神性の体現の象徴である。マントラや神の名はあなたを自己幻惑（グラマー）、錯覚（イリュージョン）、幻影（マーヤ）、そして否定的エネルギーから守り、あなたが唱えたそのものを自身に引き寄せるのである。

「神なるものすべて」を意味する神聖な言葉「エロヒム」を唱えれば、あなたの引き寄せるものはことごとくすべて「神なるもの」となる。眠りにつく直前に神の名を唱えれば、あなたは自身の魂体となって漂いながら、唱えた名である次元ないし意識に到達することになる。それは、あなたが睡眠中に赴く場所は、眠る直前の最後に何を思っていたかで決まるからである。

神の名やマントラを唱える究極の目的は、あなたの個としての意識を神なる意識と混ぜ合わせることである。神の名もマントラも、あなた自身が「永遠の自己」としての真の資質に気づき、より高次の能力を開花させ、意識をその特定のマントラと共振ないし同調する意識レベルへと高める助けとなるのである。

このきわめて神聖かつ霊的な習練を続けることで、あなた自身のオーラ場に、膨大な霊的能力とパワーを構築し、日々に出会うすべての人々と祝福を分かち合う際にそれを使うことができる。思考は驚くべき力を秘めた道具である。イエスは、あなたにからし種ほどの信仰があれば、文字通り山をも動かすことができると語っている。またポール・ソロモンは宇宙心からのチャネリング情報で、イエス・キリストは、実際に宇宙の星々の位置を変えてしまうほど強力に自由な思考を展開していたと述べている。さらにエドガー・ケイシーは、太陽の黒点は実際、人の否定的思考が創り出したものだと語る。

自分の思考の絶大なる力を統制し、それを霊的活動の中心のみに役立てるという感覚がどのようなものか想像できるだろうか。もち一日二十四時間、神の名やマントラや力ある言葉の詠唱に意識を向けていれば、あなたの思考や言葉や行為のすべてが、神性に端を発したものとなる。あなたの地球での全生涯を、自身の真の姿でもある神の肯定に投じること、それが理想であろう。しかし実際にそうでない人のほうが多いのは、その必要性やそのための手段や方法を教えられていないからである。したがって、その点をフォローするのが本章並びに本書の総合的な目的なのである。

あなたがた一人ひとりに、強い反応を覚える特定のマントラや神の名や力ある言葉がかならず存在している。そうしたものを数多くもつ人も、ごく少しだけの人も、どちらが良いというわけではない。直感の導きに従い、いろいろ試して楽しんでいただきたい。多大な喜び、人々の愛、光などといった形でやってくる結果に、あなたはさぞかし驚かれることになるだろう。

一日を通してマントラや神の詠唱をしない場合には、瞑想、祈り、霊性を高める読書、アファーメーション、日記をつけること、肉体の訓練等といった他の精神修養をぜひ行っていただきたいものである。さらに言えば、神の名やマントラの復唱は、終日、そうした修練のすべてを繋ぎあわせる糊の役目も果たすものである。

中略

一日を通しての励行を心底から推奨するわけは、神の名やマントラを唱える回数が増せば増しただけ、詠唱者が神の在り方に近づくからである。

この習練は潜在意識を清め、集中力を飛躍的に向上させる助けとなるだけでなく、心識（マインド）を黙させ、感情を静め、肉体を癒すことになるのである。そしてついには、いついかなる時にも否定的自我中心の意識に陥ることのない、常なるキリスト意識の状態へと導かれるのである。

これを苦役にしないためにも、習練には多様性を取り入れることが大切である。最大の楽しみに昇華できれば、無論それに越したことはない。ときどき別のマントラや神の名を使ってみたり、詠唱のテンポを変えてみるのもよい。速度が速くても遅くても、大きな声でも呟くような声でも、旋律を伴っていても伴わなくても構わない。一番大切なのは熱意と誠意、そして愛をこめて唱えることである。あなたはそのとき、神に対する賛辞と愛を表現しているのである。

中略

全てのマントラは神性の体現すなわち霊性を象徴する山の頂きへと続いている。しかしその頂上にいたる道は、われわれ一人ひとり異なっている。マントラや力ある言葉には、癒しのためのもの、死者を蘇らせるためのもの、順境や繁栄を実現化するためのもの等、人生のいかなる目的にもそれぞれにふさわしいものが存在する。ここで明確にしておきたいのは、普遍的で折衷的なマントラの収集を使うのに、あなた自身の信仰する宗教を変える必要はないということである。サイババは、「あなたがたが唱え、賛美する神の名や形がいかなるものであっても、わたしはそれに応じるでしょう」と語っているが、それこそが未来の新時代（ニューエイジ）の宗教の形なのである。すべての神の名も、すべての神の形も、同じ場所へと続いているのである。あなたにはただ、もっとも自分自身に心地よく共鳴するものを選んでいただきたい。人生の別の時節においては、また新たな別の名前や形に関心が移る可能性もあるが、それもまた好いことなのである。

神の名の詠唱は、日常生活において神の存在を意識した状態を維持する練習にもなる。最たる問題は、唱える名前を忘れてしまうことであるが、もし常時繰り返していればその心配もない。否定的な低次自己からでなく、神からの肯定的な習慣を身に着けるにも役立つこの習練に専念するならば、かならずや神自身からの応えを受け取ることができる。なぜならば、神はみずからに寄せられる純粋で愛にあふれた献身的思いを無視することはできないからである。

中略

神の名やマントラ詠唱の習練を積めば積むほど、種子はあなたの潜在意識に深く埋め込まれ、その根はさらに深く伸びていくことになる。そしてついにはあなた自身がモナドとなり、アセンションするまでに、意識全体をあなたの魂とモナドに叶う在り方へと統合させるのである。「休むことなく祈り続けなさい」とは、聖パウロの言葉ではなかったか。

アドナイ（神の地球なる側面。カバラでは「主」の意）

ヒンドゥー教のマントラ

クリシュナ（神の名。彼、すなわちわれわれを「神なる彼」へと引き寄せる存在）

古代エジプトのマントラ

ヌク・ク・プ（私は彼［神］であるところの私）

ネフェル・ネテル・ウェッド・ネ（完璧なる神は命を叶えり）

オシリス

イシス

マントラとなる言葉

平和、喜び、愛、私自身の力、許し、謙虚、慎ましさ、平静、バランス、中心にある状態、至福、思いやり、奉仕、善意、愛他心、心からの親切、一体性

ジュワル・クールのマントラ

魂のマントラはあなたの魂と高次自己（ハイヤーセルフ）の支援を活性化させるマントラである。以下は大いなる白色同胞団（ホワイトブラザーフッド）のマントラであり、これまで私が出会ったなかでも、もっとも強力なマントラの一つである。このマントラを使用して、深層を揺るがすほどの影響を受けなかった人を私は知らない。

私は魂（あるいは、私はモナド）

私は神なる光、

私は愛、

私は意志、

私は確固たる計画である

マスターの名の詠唱

あなたが同調し、混ざり合いたいと願うマスターの名を唱えてみていただきたい。マスターの名の詠唱は、あなたの頭頂の中、胸の中、あるいは面前に、マスターたちの姿をイメージしながら行う。以下は詠唱に用いることができるマスターの名の一覧である。

エル・モリア、聖ジャーメイン、セラピス・ベイ、ヒラリオン、クートフーミ、主マイトレーヤ、ヴェニス人パウロ、サナート・クマラ、ヴァイアマス、仏陀（釈迦）、ラーマクリシュナ、イシス、聖母マリア、観音、クリシュナ、ラーマ、オシリス、メルキゼデク、メタトロン、サンダルフォン、エノク、トート、ジュワル・クール、ガネーシャ、ゾロアスター、七人の強大なエロヒム（ヘラクレス、アポロ、へロス、ピュアリティ、キュクロピア、ピース、アルクトゥールス）、大天使（ミカエル、ヨフィエル、カムエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル、ザドキエル）他多数

古代エジプトのセレスティアル・ヒーリング