エゴとの決別

とんでもなく全開になれば、すべてはうまくいく

たいていの人と同じく私も、繰り返し念を押されないと神の秩序のことを忘れてしまう。エゴは物事を管理していると思いこんでいる。より偉大な力に問題を引き渡すなど、ばかげていると信じている。私たちの文化では、懸命に働き管理することばかりが重要視され、つかんでいるものを手放して高次の力の導きに従うなど、まるで見向きもされない。しかし何と言っても、困ったことを神に捧げると奇跡が起こると証明する、客観的な研究がひどく不足している。プラセボ効果や観察者バイアス（偏り）の影響を防ぐためにおこなう二重盲検法［訳註：医薬の効果を客観的に検定する方法］のような研究が。とはいえ、ここに私の経験もあるし、この生き方を享受する大勢の経験も紹介されている。 ひょうきんで楽しいエピソードを通してトーシャが伝えているように、神の秩序とは、願望すべてが瞬時に叶えられるとか、魔法のじゅうたんに乗って空を飛べるようになるとか、そういうことを意味するものではない。あるいは、好みを残らず捨て、受け身になって没個性化するよう求めるものでもない。むしろ、宇宙の自発的かつ創造的な衝動に、ひとりひとりが自分なりに波長を合わせるということだ。

トーシャの『私を変えてください』は素晴らしく効果的で、私は本当の意味で、人生で〝神に主導権をとらせる〟ことができるようになった。本書『とんでもなく全開になれば、すべてはうまくいく』のことを周りの人々に伝えたくて待ちきれず、ヘイハウス社で担当するラジオ番組『フローリッシュ！』に、彼女にゲスト出演してもらった。長年医者としてやってきて心から言えるが、本書のメッセージは皆が必要とする薬だ。誰もがこの万能軟膏を必要としている――傷を癒し、その傷に意味を与え、すでに役に立たなくなったものへの執着を取り除くパワーがあるのだ。

私自身の人生を変えたものを、個人セッションに取り入れはじめた。それは、一九四〇年代の作家であるフローレンス・スコヴェル・シンの本を読んで探り出した、神の秩序と源の原則だ。神の秩序によれば、もしあなたが導きに身をゆだねるなら、どんな問題もすでに完璧な解決法が選ばれている。神の源によれば、すべての必要を満たす術を知る宇宙の富がもともとある。この愛の力――シャクティ、神、女神、大意識など呼び方は何でもいい――と調和することが、すべての黄金の鍵だ。 ただしそれには、とんでもないほど全開になり、受け入れ姿勢になり、そして意識しつづけることが必要だ。

誰でも、この神の原則とともに歩むことができる。次第に「物事を起こそう」というエゴの欲動がはがれ落ちていき、代わりにリラックス感と信頼感が出てくる。そして自然発生的に現れてくる答えを、受け入れられるようになる。ここでお伝えする方法は本当に誰でも使うことができ、練習すれば顕著に強まっていく。シンクロニシティや魔法が盛んに起こるようになり、一連の過程に対する本来の信頼感が強くなっていく。

神の秩序によれば、もしあなたが導きに身をゆだねるなら、どんな問題もすでに完璧な解決法が選ばれている。

神の源によれば、すべての必要を満たす術を知る宇宙の富がもともとある。

この愛の力――シャクティ、神、女神、大意識など呼び方は何でもいい――と調和することが、すべての黄金の鍵