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自己幻惑(グラマー)

自己幻惑(グラマーは)アストラル的性質を帯び、人類の五〇パーセントがいまだ感情体に突き動かされている現在においては、錯覚よりも影響力が大きい。感覚的・感情的な反動と、犠牲者ないし被害者意識という迷霧によって真実を覆い隠してしまうのが、自己幻惑である。また、霊的志願者(アスピラント)である善人たちを探究の道から逸脱させようと企む、「闇の同胞団」の最たる手の内がこの自己幻影である。
みずからが非難や分裂の姿勢、あるいは自尊心から反応しているのに気づいたら、それは自己幻惑に囚われている徴候である。そうした性質から自身を解放できた霊的志願者は、充分に自己幻惑を晴らし、放棄できていることになる。自己幻惑を晴らす最善策は、魂のエネルギーの純粋なチャネルとして行動することである。それは利己的姿勢ではなく、霊的姿勢で人生に挑むことでもある。
自己幻惑に囚われた人はメンタル体における成極化を促進することと、メンタル体をより近しい自己自身として認識することを学ぶ必要がある。感情的自己に過剰に取り込まれていると、最後まで感情のジェットコースターから降りることができない。ジュワル・クールは、これを「対立項の自己幻惑」と呼ぶ。
人が進化してメンタル界での成極が進むと、中庸の道を歩み、落ち着きと平静を生み出せるようになる。修業者が自身の魂との正しい同調の仕方を学ぶと、その結果、観念的あるいは頭脳的意識を照らす光が増大する。これは自我(エゴ)が現実(リアリティ)を見定めるという知覚作用に対して、霊的知覚作用を発達させるのに著しく役立つことになる。
自己幻惑は、人が人生の真実を明晰に見据え、周囲の状況をありのままに見ることを妨げる。感情的なタイプの人は外見に左右され、外見の下に覆い隠されているものを忘れてしまう。
中略
人類一人ひとりが取り組む必要があるのは、個人的自己幻惑ばかりではなく、家族自己幻惑、国家自己幻惑、そして全体としての人類自己幻惑にまで及ぶ。家族自己幻惑とは、過去と現在の両方におけるその家族の「欲にもとづく生存」と関わりがある。国家自己幻惑は、国家の総合的な「欲にもとづく生存」であり、人類自己幻惑は、人類意識に結集した人類のすべての自己幻惑の総和をいう。
自己幻惑を晴らさんとする修業者は、次の二つを実施する必要がある。霊的存在として、常時その心が光の中にある状態を保つこと。これは意識と心が常に神、魂あるいは高次自己(ハイアーセルフ)、そして霊的在り方に接していることである。そして、たとえ何が起きても、神と、神界に対して注意を怠らないことである。
人類の進歩を妨げる自己幻惑には次のような種類がある。
  1. 有形物の自己幻惑。これは、有形物への過剰な自己同一化、および所有すること、あるいは財産に対する貪欲なまでの願望である。
  2. 感傷の自己幻惑。これは愛することや愛されることへの執着や中毒が基盤にある疑似愛である。
  3. 対立項の自己幻惑。ここでは修業者の心が、落ち着かずに二つの対立項の間を揺れ動く。修業者は、己の利害、甘苦、健康状態、勝敗、毀誉褒貶(きよほうへん)に関係なく平静な状態を保てることが理想である。この自己幻惑もまた、執着を手放すことに大いに関わっている。ものや人に執着がなければ、痛手を被ったり苦難を体験することはない。
  4. 献身の自己幻惑。これは大義や信条に、極端にあるいは狂信的に盲従する人をいう。
  5. 求道の自己幻惑。霊的な道そのものに内在する自己幻惑には、否定的自我の観点からマスターとともに働くことが含まれる。
自己幻惑を散らす手段が啓蒙であることを理解していることが重要である。直感やインスピレーションを用いても、自己幻惑は排除できない。自己幻惑を駆逐できるのは、啓蒙された心あるいは、キリスト的思惟である。ちょうどメンタル界の錯覚の一掃に、一つ上のレベルにある直感が適用されるように、アストラル界の自己幻惑には啓蒙された心が必要なのである。アストラル界の自己幻惑には、魂の指導に則した、率直で揺るぎない正しい思考がなくてはならない。これは正確な分析と識別力、そして正しい思考を通して達成される。
第一光線の自己幻惑
体力の自己幻惑/個人的魅力と牽引力の自己幻惑/自己本位と個人的影響力の自己幻惑/「中心人物」の自己幻惑/利己的な個人的野心の自己幻惑/専制君主、支配者、領地的拡大制作者の自己幻惑/自己本位の運命論、世襲による君臨者の神的権限の自己幻惑/破壊の自己幻惑/乖離状態、孤立、孤独の自己幻惑/個人や集団に対する医師の強要の自己幻惑
第二光線の自己幻惑
愛と愛されることの自己幻惑/人気の自己幻惑/個人的分別の自己幻惑/自己本位な責任感の自己幻惑/自己本位/正当な行動をも拒絶する、知識・理解の過信の自己幻惑/自己憐憫の自己幻惑、これはこの光線の基本となる自己幻惑である/宗教の世界と世界的窮状における、救世主にまつわる固定観念の自己幻惑/過度の感受性を基盤とする怖れの自己幻惑/自己犠牲の自己幻惑/自己本位な無私的姿勢の自己幻惑/自己満足の自己幻惑/自己本位な奉仕の自己幻惑
第三光線の自己幻惑
多忙を装う自己幻惑/協調的よりも個人的やり方で計画に臨む、協力体制の自己幻惑/積極的企みの自己幻惑/真の動機なしに創造にあたる自己幻惑/基本的に自己本位である、善意の行為の自己幻惑/「巣の中央のクモ」たる自己中心の自己幻惑/「機械の中の神」の自己幻惑/継続的奸計(かんけい)、不正行為の自己幻惑/知識や能率という見地からの、自惚れ(うぬぼれ)の自己幻惑
第四光線の自己幻惑
個人的慰安や満足を目した調和の自己幻惑/戦争の自己幻惑/正義と平和を強いる目的で闘争の自己幻惑/曖昧な芸術的知覚の自己幻惑/直感に代わる霊的知覚の自己幻惑/音楽的知覚の自己幻惑/より高次の意味においての対立項の自己幻惑
第五光線の自己幻惑
物質性または有形物の過剰重視の自己幻惑/知的能力の自己幻惑/知識と定義の自己幻惑/狭量な視野に基づく確信の自己幻惑/真実を覆い隠す、外面的形態の自己幻惑/組織の自己幻惑/内なる世界を覆い隠す、外なる世界の自己幻惑
第六光線の自己幻惑
献身の自己幻惑/形や人間への執着の自己幻惑/理想主義の自己幻惑/愛国心ないし忠誠心、主義ないし狭義の自己幻惑/感情的反応の自己幻惑/感傷性の自己幻惑/干渉の自己幻惑/より低次の対立項の自己幻惑/世界の救世主および教師の自己幻惑/狭い視野の幻惑/狂信的行為の自己幻惑
第七光線の自己幻惑
魔術的仕業(しわざ)の自己幻惑/見えない力の自己幻惑/無理にまとめたり合わせる必要性、あるいはそうする願望の自己幻惑/肉体の自己幻惑/神秘的、秘伝的事項の自己幻惑/性的魔術の自己幻惑/ 浮上権限した力の自己幻惑
これらの自己幻惑を乗り越え、制御してアセンションの道がひらけます。
今は少しずつ理解しながら、光線と自己幻惑の制御を学んでいます。
今日の学びに心からの愛と感謝を込めて・・・・
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