円　丸い呼吸　エジプトの秘儀　カバラの秘儀

実践カバラ: 自己探求の旅 – 大沼 忠弘

実践カバラの行法における呼吸法はヨーガなどと異なって、すこぶる単純明快です。静かに座って、4秒で息を吐き、2秒止めて、4秒で吸い、そこで2秒止めて　再び　4秒で吐くのを繰り返せばよいのです。

この次の手紙には呼吸法を初めて実践してみたときの感想を書いてください。

退屈心と闘うのが、この期間の課題です。一回の呼吸は難しくなくても、単調なリズムを繰り返すのは死ぬほど退屈なものです。それを避けるために、意識の段差をつけてみてください。

座り始めたら、当初はしばらく息を数えないで、自然の息の出入りを意識で追っていきます。この過程で体全体にくつろいだ、たゆたうような気分をみなぎらせるのです。次に、呼気、止気、吸気の一節一節を明確に意識しながら強度の集中的な呼吸をします。多分、6回か7回でへとへとになるでしょう。またそのくらいの集中度が必要です。そうなったら無理をせず、数を意識せず、しかも同じリズムを保っている静かで幽かな呼吸に切り替えます。

これは集中的呼吸よりずっと難しい呼吸です。なぜなら数から意識が離れたとたん、その空白に雑念が入り込んでくるからです。

雑念については、初歩のうちは取り除くことは不可能ですから、出るに委せ、さりげなく尽きるのを待つといった態度でいるのが最上。雑念と心破れるまで闘うのは愚の骨頂です。雑念が煩わしく感じたら再び以前の集中的呼吸に切り替えます。

中略

実際、呼吸は酸素と炭酸ガスの交換のために行うと考えられます。しかし呼吸法の呼吸は「気」または「エーテル」の摂取のために行うのです。